2007年06月05日

暴力よりも建設的なキャンペーンを by 山田太雲(オックスファム)

2日に参加したデモは、私たちが歩いていた先頭部分が解散した後に終着点に到着したグループの一部と、警官隊との間で大きな衝突に発展し、警察にも100人以上の重軽傷者が出る暴動になってしまいました。

「G8の今の政策に反対で、別の行動を求める」という声も、「たった8カ国で世界経済を決めるのはおかしい」とG8そのものの開催に反対するのも、そういった声を社会や政治に見える形で表現することは、すべての人の権利です。しかし、暴力に訴えるやり方は、結局そのような声に対する社会の信用を失い、メディアの注目を最も大切な問題(貧困問題や気候の問題)からそらしてしまうだけであり、こうなってしまったことは非常に残念でした。これから首脳が到着する頃にかけて、ロストックのあちらこちらで衝突が勃発することが予想されており、私たちオックスファムのスタッフも、今回のために用意した黒いTシャツ(写真)を着て歩かないよう、アドバイスを受けました。

DSCN3976.JPG

そんな中、ドイツのある新聞はオックスファムが行った「ビッグ・ヘッド」のスタントを大きな写真と共に取り上げ、「私たちが求めているのはこのような建設的なキャンペーンだ」と書いていました。その場にいなかったドイツ市民の人たちに、デモが暴力に訴える人たちだけのものではなかったことを知らせることができたという意味でも、非常に良かったと思います。

さて今日はメディア・センターが設置されるキュールングスボルンに、「アクレディテーション」という、メディア・センターへの通行許可証のようなもの(写真)を受け取りに行きました。世界のメディアが集まって、G8の様子を世界に発信する場所ですが、私たちはそこに入って、そのメディアに問題を掘り下げた情報を伝えたいからです。

今回のサミットで主催のドイツ政府は、2005年のイギリス、2006年のロシアのサミットと違い、NGO関係者へのアクレディテーションを用意しませんでした。非常に後ろ向きな対応で、来年のホストである日本政府に悪い前例を与えないかと心配ですが、この影響で私はNGOの立場ではアクレディテーションを得ることができなくなり、今回FMわぃわぃさんにレポーターとしての資格をいただく形で、入手することができるようになったのです。

メディア・センター自体は明日から開くとのことでしたが、すでに日本政府の関係者が様子を見に来ていました。手に持っていたノートには、「警備体制」という項目の下にいろいろと書き込んであり、来年のサミットの際に参考にしようとしているのでしょう。多様な声が交われる、そんな空間作りに務めてもらいたいものです。

その後、ロストックのあるホテルに行き、来年のサミットの向けて準備を進めている「2008年NGOサミットNGOフォーラム」と、今年のサミットに向けて準備をしてきたドイツのNGO関係者との間で経験や認識を共有するための会議が3時間行われました。イギリスなどと比べると、ドイツも環境問題に比べて開発問題に対する世論の関心はそれほど高くはないようです。そんな中、大きなコンサートをこの半年の間に2回も開き、1万人の署名を集めたオックスファム・ドイツの活躍には目を見張るものがあります。彼らよりもさらに小さいオックスファム・ジャパンではありますが、ぜひ同じくらいの結果は出せるようにがんばらなければ。

夜、世界各地からオックスファムのG8チームのメンバーが勢ぞろい。昨年ケニアで2ヶ月研修した時にお世話になった人も2人来ていました。夕食を食べながら、しかし各自が明日以降の仕事で重要なことを話し合うミニ会議があちらこちらで開かれていました。

オックスファムのメディア・チームが、ブログに上げるためのショートフィルムを作成しており、そのための撮影も行われました。各国のスタッフがそれぞれ母国語で、援助、保健、貿易、ダルフール、気候変動などの問題について、15秒ずつくらい説明をする映像と、「世界はもう待てない」のスローガンにかけて、イライラしながら待ち続けている様子を20秒ほどずつ撮影。私は貿易について日本語で説明する映像を撮られましたが、いつになってもカメラの前で演じるのは苦手です。

明日、明後日にはオックスファムのブログにアップされますので、ご覧ください。
http://oxfaminternational.wordpress.com
posted by FMわぃわぃ at 11:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月04日

5万人の市民が多様なデモ行進 by 山田太雲(オックスファム)

みなさま、こんにちは。オックスファム・ジャパンの山田です。
今回、G8サミットが行われるドイツから、サミットの様子を貧困問題に取り組む国際NGOの視点から報告させていただくことになりました。今日からできるだけ毎日、情報をアップデートしていきたいと思います。

東京からアムステルダム経由でベルリンまで、約14時間の空路の後、各国のオックスファム関係者が待つロストック近郊のホテルに着いたのは、昨夜12時頃でした。その数日前からあまり睡眠をとれていないことを考えると、今朝は思ったよりもしっかりと目覚めることができました。おそらく、これからクライマックスであるサミット終了までの7日間に起こるであろう出来事に対する期待感と不安感によるものだと思います。

私はここに、オックスファムを代表して、サミットを取材する日本のメディアに皆さんに対して、サミットで何が起こっていることについて私たちが把握している情報を提供し、それが世界で貧困のもとに暮らしている人々の暮らしにどのような影響をもたらすことになるのかを伝えるために来ています。来年のサミットが日本で開催されることになっているため、今からメディアを通じて日本の市民の皆様がこのような情報を知ることはとても重要だと思います。これから1週間、気合を入れてメディア・ワークをしていきたいと思いますが、今日のメインイベントは、なんと言ってもドイツの市民社会が組織した大きなデモンストレーションでしょう。

天気は、残念ながら「デモ日和」とは言いがたく、どんよりと寒く、小雨がぱらついています。にもかかわらず、ロストックの中央駅に集まってくる人の数は膨れ上がる一方。だんだん政治的な熱を帯びてきます。

オックスファムはここで、「スタント」と呼ばれるメディア向けのパフォーマンスをしました。G8首脳の顔に似せた大きなハリボテ(「Big Heads」と言います)を被った8人が、アフリカの代表とギャンブルをするのですが、ここでのミソは、アフリカの人がいくらがんばっても、G8はウラ取引をしたり、よってたかってアフリカの代表から奪ったりして、G8が活用になっていることです。これは私たちが訴えたい、不公正な貿易や債務、そして約束にはほど遠い援助の実態をうまく表していると思いました。

行進そのものは午後1時に出発。聞いたところによると、5万人(主催者発表は8万人)が参加したそうです。参加者たちが掲げているスローガンは実に多様で、特定の政策についてのものがあれば(例えば「G8は本来南に対して借りがあり、それを返すべきだ[本当の意味で債務を負っているのはG8ではないかと言う主張]」というものや、「すべてのHIV感染者やAIDS患者に治療を」というもの)、もっと全般的なものまで(「G8の皆さん、もう議論はいいから行動を」というものがあるかと思えば、「G8を阻止しよう」というものも)。とても「一貫性のある要求」とは言い難い状況。でも、いろいろな人々が参加するこのデモでは必ずしも要求の内容に一貫性があるかどうかが重要なのではなく、この行動を通じて、全体として、世界中の市民がG8やそれが象徴する仕組みに対して持っている不満の度合いが非常に高いことが誰の目にも明らかになること、そして、G8に対して、「今までどおりに金持ちのためだけの話し合いをするのであれば、あなた方が自負するような国際的な、民主主義の指導者としての信頼は損なわれる」というメッセージが伝わることにあるのだと思います。

残念ながら、一部のグループが破壊活動を行ってしまったために、日本での報道はそちらに注目が集まってしまっているようですが、現場ではいたって落ち着いた受け止められ方をしています。

とにもかくにも、市民社会のメッセージは伝わりました。これに対して、G8がこれまでに世界中の、特に最も貧しい人々に対して交わした約束を守るのかどうか。決めるのは彼らです。
posted by FMわぃわぃ at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

G8サミットの貧困問題をレポート - オックスファム、AMARCと協力 -

FMわぃわぃオックスファム・ジャパンと協力し、6月6日からドイツで開催される主要国首脳会議(G8サミット)にオックスファム・ジャパンの山田太雲氏(アドボカシー・オフィサー)をレポーターとして派遣します。サミットで話し合われる問題のうち、とくに貧困問題について情報発信をしていきます。

またFMわぃわぃが加盟している世界コミュニティラジオ放送連盟(AMARC)の日本協議会準備委員会のメンバーとして松浦哲郎氏もサミットの会場からレポートをする予定です。
posted by FMわぃわぃ at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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