2007年06月08日

「もう1つ」の抗議の仕方 by AMARC取材チーム

【6月6日 ロストック=松浦哲郎、ラムナス・ブハット】
バルト海に面したリゾート、ハイリゲンダムで、G8が6日から開催されています。会場の周辺には高さ2メートルを超えるフェンスがはりめぐらされ、一部のマスメディアを除いては、フェンスを越えて会場に近づくことができません。このフェンスは1キロあたり100万ユーロ(日本円でおよそ1億6千万円)かけてつくられているそうで、環境問題を主要テーマの一つとしてかかげた今回のサミットが終了したあと、このフェンスがどう処理されるのか、注目されています。 

会場に続く道には多くの若者が集まり、道路に座り込むなどして道路の封鎖を試みています。フェンスに設けられた3つのゲートの封鎖も試みられ、そのうち2つは封鎖にされました。そのうちの一つでは、封鎖を試みる若者たちが到着する前に、その行方を警察が幾重にも隊列を組んで塞いだので、「実際には封鎖したのは若者ではなく、警察ではないか」、という皮肉たっぷりの冗談も度々聞かれました。

カラフルな旗を掲げてどこまでも続く平原を歩きゆっくりとゲートに向かう若者、道路に座り込んで音楽を演奏したりする若者などの姿が、本日の新聞の一面を賑わせていました。サミット参加のために訪れた首脳の多くは、空港からヘリコプターで会場入りしました。

ここロストックのキャンプからも多くの若者がフェンスそばへでかけていった影響で、今日のロストックの街ははがらんとしていました本日見かけた警察車両はたったの一台。28度まで気温が上昇した街では、半そでを着た地元の人々がカフェでくつろぐ姿が街のいたるところで見られました。

港に設けられたステージでは、様々な国から訪れたアーティストたちがかわるがわる演奏を行いました。そのうちの一つ、バングラデシュから参加したバンド、「バングラ」の演奏は人々のひときわ大きな拍手を浴びていました。

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Photo by Tetsuo Matsuura/AMARC

ヴォーカルをつとめるのは、バングラデシュの20代の女性、アヌシェ・アナディルさんです。「もっとも貧しい国といわれるバングラデシュの代表として、このイベントに参加しました。私たちのような貧困に苦しむ国の人々のために、このように大勢の人々が集まって行動してくれているのを見て、とてもうれしく思います。でも、警察との衝突などを見るのは悲しいですね。みなさんはバングラデシュと聞くと、その貧しさしか思い浮かばないかも しれませんが、私たちは歌や踊りが大好きで、特に女性は、私が今日ステージでみなさんに見ていただいたように、いつも歌ったり、踊ったりして楽しんでいるんですよ。そういう面も皆さんに知っていただけたらいいな、と思います」と話していました。

明日にはG8の本格的な交渉が始まります。それにともなって、抗議活動も活発になることが予想されます。日本ではこちらのいわゆる「抗議行動」が、とても硬いイメージをもって伝えられているようですが、実際その多くは非常に楽しい雰囲気で行われており、まるで一つのお祭りのようです。ここインデペンデント・メディアセンターにも、幼稚園に通うような小さな子供を連れた若いお父さん、お母さんがたくさん訪れて、他の若者とテントやパラソルの下に座って、 私たちが現地で放送しているラジオを聞いたり、オルタナティブ系の新聞を読んだりして、外が暗くなりはじめる午後の10時ごろまでのんびりとすごしています。

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世界中から集まった30人とドイツ中の自由ラジオから集まった30人ほどの協働によるラジオ放送もいよいよ終盤を迎えます。

「ラジオ・フォーラム」ウェブサイトは
http://radioforum.fm/

同じビルで活動してる「G8 TV」は毎日映像をアップしています。
http://g8-tv.org/

同じく同ビル内で活字情報を毎日アップしているのはIndymedia
http://indymedia.org/

posted by FMわぃわぃ at 10:40| Comment(1) | TrackBack(0) | ポッドキャスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月06日

暴徒は警察の威嚇と巧みな誘導ゆえ by AMARC取材チーム

【6月5日 ロストック=松浦哲郎、ラムナス・ブハット】
「ロストック・ショック」と地元紙が伝えたG8に対する大規模な抗議行動は、6月2日の開始から、今日で4日目を迎えました。G8各国の首脳らが集う予定のハイリゲンダムから東へ30分、バルト海に注ぐウンタヴァルノ川に面する港町、ロストックは、多くの抗議活動の拠点となっています。港周辺のイベント会場や、市内の3つのキャンプなどには、ドイツや周辺の国々からリュックサックをかついだ若者たちが多数集っています。

初めての大規模行動が行われた6月2日、私たちは市内で行われたデモンストレーションを取材。行進は2つのグループに分かれて行われ、一方には主催者の発表で6万人、もう一方には2万人の人々が参加しました。思い思いのカラフルな衣装に身を包んだ参加者は、音楽や鳴り物に合わせて、港までの5キロほどの道を楽しく、穏やかに行進しました。

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人々の表情が緊張を帯びてきたのは、いよいよ行進も最終地点の
港湾地域に差し掛かったあたりからです。港に通じる道をおびただしい数の警察車両と警察官が取り囲みます。上空ではヘリコプターが旋回。行進の声やイベント会場からの音声が聞き取りにくい状況となり、主催者側から、ヘリコプターを退避されるよう、警察に向かっての要請が何度も続きますが、一向に立ち去る気配をみせません。隊列を組んだ警察官が会場を縦横に駆けながら、 行進する人々に徐々に接近します。警察車両がけたたましいサイレンをならして道路を駆け抜けます。装甲車までが登場し、警察の威嚇は激しさを増します。平和な雰囲気に包まれていたデモンストレーションは一気に緊張につつまれ、一方で無政府主義を掲げるブラック・ブロックと呼ばれる、若者たちの集団が勢いを増し、警察の隊列と対峙。警察とのこぜりあいが生じ、ついに無数の石やビンなどが警察の列に投げ込まれる事態となりました。

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地元紙は一面にこの「暴動」あるいは「暴徒」、そして投げ込まれた石やビンの写真を掲載、この様子を「ロストック・ショック」と紹介しました。しかし、私の目には、そして、オルタナティブな視点からG8を報道するために、港湾近くに設けられたメディア・センターで取材にあたっている、世界中から集まった30名ほどの報道陣の目には、今回の事態は、警察の異常なまでの威嚇と、一部の若者を暴徒化させるための巧みな誘導が引き起こした ものであったと映るのです。

抗議行動主催者によると、この日だけで520人の参加者が負傷、うち20人が重傷、180人の警察官が負傷、うち20人が重傷。165人が逮捕されたとのことです。

首脳会議の開催を明日に控えて、夕方にはアメリカ合衆国のブッシュ大統領が到着します。空港を囲んでの大規模な抗議活動など、様々な活動が本日も計画されており、その行方は予断を許さない状況です。

posted by FMわぃわぃ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ポッドキャスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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