Photo by Tetsuo Matsuura
6月1日の真夜中に、バルト海に面した街、ロストック(人口およそ20万人。旧ハンザ同盟の主要都市の一つ。サミット会場のハイリゲンダムからは車で東へ30分。多くのデモンストレーションの拠点となっている)に入りました。
G8(主要国首脳会議)といういかにもけったいな名前の会議に対し、ヨーロッパを中心におよそ10万人の人々(多くは若者)がロストックや周辺のキャンプに集い、6月2日から本格的な抗議行動を続けています。
今回AMARC(世界コミュニティラジオ放送連盟)ヨーロッパと、ドイツ自由ラジオ放送協会では、「ラジオ・フォーラム」を開催。街の中心部に位置する芸術系学校の校舎を借り受けてメディアセンターを開設。世界中から集まった30名ほどのメンバーと、ドイツ国内から集まった30名ほどのメンバーが協力して、ドイツ語の放送と、多言語での放送(英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語)を、インターネットと衛星放送を通じて行っています。私は英語チームに、他の3人のメンバー(ブレンダ=南アフリカ、サンギータ=イギリス、ラム=インド)とともに参加しています。
Photo by Tetsuo Matsuura
毎日毎日、午前9時からのプレス・コンファレンスに参加、会議、その後取材、メディア・センターに帰って編集会議、音声素材の編集、午後7時から8時までの生放送、10時半からのドイツ、国際チーム合同のミーティング、というサイクルです。怒ったり、笑ったり、途中で寝てしまったり・・・、様々な言語や文化背景を持つ人間が、いかに協力して共通の目的のために働けるか・・・このフォーラムは、その当初の呼びかけ文にあったとおり、まさに実験的な試みでした(「共通の目的」とは、今後も継続して考えていかなければいけないテーマなのですが、すこし乱暴に言ってしまえば、「マス・メディアの報道は、そのほとんどが、ドイツ政府、公式G8サミットの広報チームが出すプレスリリースをそのまま、あるいはそれをもとにして行われているので、現実に起こっていることの状況把握や、背景の認識などに、かなり誤認や歪曲がある。またそもそも取り上げられないイベントや人々もたくさんある。それらを溝を少しでも埋めるために、「もう一つ」のメディアである私たちが、『もう一つのG8サミット(Alternative G8 Summit)』主催者のプレスリリースや、様々なNGO、デモンストレーション参加者、ワークショップ参加者、ロストック市民などに協働して取材を行い、継続して報道を行う」という感じ・・・・です。)
毎日会議をしていると、いろいろなテーマや課題が出てきます。そしてそれを解決するためのアイデアやシステムも徐々に整ってきました。
最初は誰がどこへ取材に行くか、という情報の共有も、言葉の壁などが影響して、うまく行きませんでした。初日の会議、ほとんど顔をそろえた国際チームに対し、ドイツチームからは数人の参加しかなく、「本当に協働する気があるのか?」という声が国際チームから多くでました。「どうしてドイツチームが、毎回国際チームのオフィスに降りてこなければいけないのか?」という
意見がドイツチームから出て、会議の会場をひと晩ごとに換えることになりました。
Photo by Tetsuo Matsuura
言語や習慣の違いなどもあるので、午前中の会議のときに、国際チームの「誰がどこに」とドイツチームの「誰がどこに」を発表し、重なるときにはなるべく国際チームのメンバーに、ドイツチームのメンバーが同行することになりました。
今後ラジオ・フォーラムをどうするのか、例えば来年の日本ではどうするのか、などなど議論のネタはつきません。明日にはラジオ・フォーラムのメンバーの半数や、それを支えてくれた通訳の仲間たち(いったい何言語話すねん!みたいな人々)が、ロストックを離れます。
その後それぞれが今回のフォーラムの評価を行い、それらをまとめ、今後に活かす、ということになります。今回の出会いの中から、世界のラジオ・ジャーナリスト達が、すぐに情報を共有できるようになるシステムも生まれました。例えばウガンダでの出来事について情報やレポートが欲しいときに、検索して、ウガンダのジャーナリストにコンタクトする、というようなことができます。)

